DWU

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2009年02月10日 20:52

それは突然の出来事だった。

いつもの通勤路、長い下り坂を駆け下りた後に続く長い上り坂。
こんな勾配なぞ作らずとも、こちら側と向こう側を繋ぐ長い橋でも作ればいいじゃ
ないか、などど下った先に住む方々の事など念頭に無い身勝手な事を考えながら
いつもの様に下り坂を駆け下りていた。

もう何年前になるのだろうか、オートポリスのジェットコースターストレートをフル加速
していたのは。あの頃は若かったな、とヘルメットの中で頬を緩めた時。

「!?」

我が愛機、紫電改(Honda製 50cc)から感じていた先程までの力強さが急速に失われ
て行くのを感じた私は、思わずアクセルを全開にしていた。
しかし我が愛機ヒューベリオン(Honda製 50cc)からの返答は、またもや息苦しそうな
鼓動だった。

なぜだ。
長い下り坂では重力と言う名の添加剤が加わって想像以上の負担が掛かってしまう
のか?・・・だがしかし、その仮説は続いて訪れた長い上り坂ですぐに覆えされた。
明らかにスピードダウンした我が愛機、赤兎馬号(Honda製 50cc)の鼓動は更に悪化
息も絶え絶えとはまさにこの事か、と脳細胞は冷静さを保っているように見えたが、
その実、アクセルを握り締める右手とシフトを司る左足は意味不明の動きを繰り返して
いたようだ。思い切ってシフトダウンしたものの変化は無く、のろのろとまるで脱水症状
に陥ったマラソンランナーのような弱々しさでトンネルを抜けた時、その鼓動は完全に
息絶えた。

狩る獲物のハズの潜水艦から魚雷を喰らった駆逐艦長の気持ち、今なら少しだけ
判る気がするな...などと完全に見当外れの思考がその時の混乱振りを現していた。

その時、惰性で前へ進み続ける私の視界の中に、ある看板が入り込んできた。
あれは・・・・・・そうか。あの時もこんな感じだった。人生初めての自動車が納車された
日、嬉しさのあまりちょっと遠回りしながら目指した目的地。しかしあの時もその若さ
ゆえの判断が今と同じ状況を生み出したんだったな...何だよ、あれから10年以上
経ったと言うのに、結局俺はちっとも成長していなかったと言う事か...。
ガス欠の物語 ~ season Ⅱ ~
           ---完---         撮影協力 Esso


DWUって入力すると「ドゥ」って変換される事をつい最近知ったPC暦20年近い
管理人ですが、案外知らなかった人っているはずだ!!と自分を励まし続けて
明日は島原へ向かいます... ガットゥーゾって簡単に打てるようになったよ...!

やっぱり燃料残量警告灯はスピードメーターに付けておいて欲しいな、Hondaさん・・・
シートの下じゃ走行中はわからんですよ・・・(∥-"-)
 


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